こじま内科クリニック

予防接種

肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン

肺炎球菌ワクチン

成人の肺炎の原因菌として最も多いのが肺炎球菌という細菌です。肺炎球菌には93種類の血清型があります。2014年10月から定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」はそのうちの23種類の血清型に効果があります。またこの23種類の血清型は成人の重症肺炎球菌感染症の原因のうち64%を占めるという研究報告があります。現在高齢者へのニューモバックスNP接種は定期接種で使用可能となり、国からの公費補助を受けられます。定期接種を受けられる対象者は該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方と、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害や、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方は適応があります。また予防接種を受けられてから5年で抗体価(ワクチンの効果を示す指標)が低下するためワクチン接種から5年以経過すると再接種が可能となります。また、「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」は2014年6月20日付けで65歳以上の者に対する肺炎球菌による感染症の予防効果・効能が承認されていますが、高齢労働省では科学的知見に基づいた専門家の検討結果を踏まえて肺炎球菌感染症(高齢者がかかるものに限る。)の定期接種において「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合ワクチン)」を使用しないこととされています。そのため現時点では国からの公費補助を受けられる高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種可能なワクチンは「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」のみとなります。ご不明な点がございましたらお住いの市町村ならびに当院までご連絡下さい。

インフルエンザワクチン

私たちの体には免疫力を有しており、一度体内に入ったウイルスに対して認識し、抗体を作ることで再度同じウイルスが体内に入ってきたときに、この抗体をもって速やかにウイルスを攻撃することができます。ワクチンはその力を利用したものです。また、インフルエンザには様々な種類があり、流行する種類は毎年異なります。そのため当該年に流行すると考えられる種類を予測してワクチンが作成されます。もちろん、予測が外れることがありますが、外れた場合でもある一定(50%程度)の効果は期待できるといわれています。加えて、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、感染力がないものになりますのでご安心ください。接種後に局所反応(免疫を作っている反応で痛み、腫れ、発赤など)がみられることがありますが数日で治まります。ワクチン接種により発症自体を予防したり重症化を防ぐことが期待できます。もちろんワクチンを接種した場合においてもインフルエンザが発症することもありますが、ワクチン接種における効果と副作用を考慮した場合、接種したほうが望ましいのは間違いないと考えます。特に、高齢者や喘息やCOPD などの呼吸器疾患をお持ちの患者さんには、接種を強くお勧めいたします。