COPDの治療
COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)は、慢性気管支炎、肺気腫、または両者の併発により引き起こされた喫煙が原因となることが多い閉塞性換気障害を特徴とします。現在あるいは過去の喫煙などが原因で慢性的に進行し、慢性呼吸不全(慢性的に息苦しい)状態になります。
慢性気管支炎は、気道分泌物(喀痰)が増加した状態で、咳と痰が持続的にみられます。
肺気腫は、肺胞壁(つまりは肺を形成している部位)が様々な有毒ガスや微粒子(特に喫煙)の慢性的な吸入によって破壊された状態となります。
初期は無症状で自覚症状が乏しいのですが、数年かけて病状が進行すると、湿性咳嗽(喀痰を伴った咳)やたんの増加がみられるようになり、初めは階段の昇降時や坂道など負担がかかたときにのみ息切れがみられますが、更に進行すると次第に日常会話の際にも症状が出現するようになり最終的には安静時にも息切れがみられる状態になります。
比較的高齢者に多い疾患であるため息切れは「年齢のせい」として受診が遅れる傾向にあります。
治療について
COPDの治療で最も重要なものは、禁煙することです。来院時に喫煙されている方には、まず禁煙から取り組んでいただきます。
そのうえで症状や病状にあわせて吸入薬(長時間作用型抗コリン薬や長時間作用型β刺激薬の吸入など)を併用し治療を行います。
COPDは、重症化すると通常時においても低酸素血症(生命維持に必要な酸素が不足した状態)の状態となることがあり、その場合には十分な説明を行ったうえで(在宅)酸素療法が必要となる場合もあります。 過去の喫煙習慣を悔いても仕方がありません。
COPDの治療で重要なことは、いち早く病状とむきあい、適切な治療を受けることで進行を食い止めることだと考えます。今は自覚症状はなくても過去に多くの喫煙をされていた方は、COPDである可能性があります。
息切れは「歳のせい」と自己判断することなく、少しでも不安に感じられましたら、できるだけ早い段階で当院にご相談下さい。
